【日記文(見違えた世界)】
刺すような日差しが肌を焼き、涼しい風がその熱をやさしく和らげてくれる。
まるで風までもが、ハッカの香りを含んでいるような――そんな爽やかな日。
私は精神内科の定期診断に出かけていた。
調子は悪くない。でも、どこか空虚。
人生なんて、まあ、こんなものか。
そんなふうに思いながら、医者の声に耳を傾けていた。
会計を済ませ、薬を受け取る。
「脳も臓器だ。そりゃ病気くらいもするさ」
そんな独り言が、ふと頭に浮かんだ。
ややくすんだ街を抜け、駐車場へ向かう途中。
中古衣料品店が目に留まった。
べつに欲しいものがあるわけじゃない。ただの冷やかしだ。
店内をぶらぶらと歩く。ふと、眼鏡スタンドに目が止まった。
私は目が弱い。悪いんじゃなくて、“弱い”。
日差しを少し浴びただけで、目が焼けて、頭が痛くなる。
スタンドをくるくる回しながら、サングラスを探す。
そのとき、不意に視界に飛び込んできたのは――老眼鏡。
「いやいや、まだ早いよ。まだ40代だし?
ちょっとピントが合いづらいだけ、うん……」
そう言いながらも、つい掛けてみる。
手持ちの本を開いた。
――世界が、変わって見えた。
黒い文字が、こんなにも鮮やかだったなんて。
気がつけば私は、金縁のラウンド眼鏡を会計カウンターに差し出していた。
きっとこれから、読書が少しだけ楽しみになる。
この文を書いた後の感想
病院の帰りに古着屋に立ち寄った。ちょっとした気晴らしのつもりで、店内をぶらぶらしていた。
あまり気分が乗らず、ぼんやりと歩いていたのに、ふと老眼鏡に目が留まった。これまで「おじいさん」が使うものだと思っていたけれど、なんだか急にその魅力に引き寄せられて、一発で気に入ってしまった(笑)。それが不思議と嬉しくて、探し回る自分がいた。
今日は、軽い日常の出来事を書いてみたけれど、次回はもっと心情や季節感を表現できたらなと思う。あの時の気持ちをもっと丁寧に掘り下げてみたい。
まずは、私にできることから始めてみようかな。明日、朝に家を出る時に空模様を見て、一文の文章を書いてみる。それだけでも、自分の気持ちが少し変わる気がするから。
それに合わせて、今と昔の自分の気持ちや体の変化を比べてみるのも面白いかもしれない。少しずつでも、自分の思いを文章にしていけたら、きっと成長するんだろうなと思う。
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