【忘れられぬ”一四代”の味】
十四代?ありゃ居酒屋の提灯だ――そう思ってました
いつも怪しんで見てたんですよね。一四代。
なぜかって?高すぎるから。
だから一升瓶なんて買えないし、300mlの瓶も3,000円くらいするから手が出にくい。
だけど酒好きなら誰もが気になる幻の酒。
それが一四代。
けれど運命とは数奇なものである。
この前に友達と飲みに行ったとき、メニューにそれはあった――。
一四代 吟撰――。
一杯2,000円也。
アホか!誰が頼むんだよ!
「すいませーん!一四代くださーい!」
ただただ少ねぇ……しかしこの香りは……っ!?
頼んでからみんなの冷ややかな目が突き刺さった。
そりゃそうだ。
みんな一杯500円くらいの酒を頼む中、2,000円の酒に手を出したのだから。
しかし頼んだものは仕方がない。
さぁでは、味わおうではないか!
14歳の生娘……ではない、一四代 吟撰を!
出てきたのはおちょこ一個。
あまりの器の小ささに閉口した。
そこにとろとろと注がれる高級酒。
少し黄色味がかった色だった。
「ありがとう!」
私はそう言うと早速おちょこを手に取る。
香りを楽しむ。
リンゴやマスカットのようなフルーティで甘いアロマ。
ずっと嗅いでいたい。
おちょこを傾かせる。見事な表面張力。
粘りのある酒は本物だ。
友達からは「何やってんの?」と嘲笑された。
私は通(のようなもの)なんだよ!
いよいよ実食!
そして口に含む。
一口でため息がこぼれた――。
舌の上でつるりと甘さが滑った。
のどを通るたびにふくよかな旨味が広がる。
鼻から抜ける時の見事なまろやかさ。
一瞬で体がとろけてしまった。
これは酒ではない。飲むカタルシス――
つまり心が洗われるような体験だ。
皆口々に回し飲みする。
小さいおちょこで回し飲みするから、かなり絵面が汚いが仕方ない。
この旨さを共有せんで、何が酒好きか!
味の詳細
- 色:ほのかに黄金がかった透明感のある色合い
- 味:最初に甘み、あとからふわっとした酸味
- 風味:フルーティーで華やか、かつ落ち着きもある
- 旨味:米のふくらみを感じる厚みのある味わい
商品詳細
- 酒蔵:高木酒造(山形県村山市)
- 酒米:山田錦(兵庫県産)
- 精米歩合:50%
- アルコール度数:15%
飲み方と合う料理
オススメの飲み方:5℃前後(冷蔵庫の野菜室より1℃~2℃くらい高い温度)。
十四代 吟撰は繊細な旨味が魅力です。
あっさりとしたシンプルな料理に合いますよ。
例えば……、
- 刺身
- 寿司
- 焼き魚
- その他和食全般
1つの小説のような余韻を残す。それが十四代
ちびちびと飲んでいたが気付いたらもう空っぽ。
お代わりを頼もうとは思わない。
なぜならこれは――最初の一口目の感動を味わう酒なんだ。
だからもう……私に一杯目の感動は無いんだ……。
購入方法
十四代は、正規ルートでの購入が難しい“幻の酒”とも呼ばれています。
その中で「十四代 吟撰」は割と流通されている方ではあります。
ですが通常の定価ではなかなか手に入らず、楽天市場やAmazonではプレミア価格で販売されることが多いです。
実際に、2025年5月24日時点では、楽天市場にて720mlが22,000円で販売されているのを確認しました。
(価格は変動する可能性があります)
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